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2000/1/19■水曜瞑想会から

イナーチャイルドの癒し

@イナーチャイルドを癒すには同じ目線で

私たちは今の瞑想を手伝っていた仲間たちです。今日はイナーチャイルドを癒すという瞑想をしておりました。一人ひとりのイナーチャイルドを自分で見つけ出し、自分の手で癒しを行ない、自分の人生を少しでも楽な方向へと持っていく。そういう癒しとして、今の瞑想はとても良い効果があると思われます。ただ、一人ひとりのエネルギーで見た場合に、癒しを行なうのに、いろんなやり方があり、自分に適しているもの、まだ自分では見つかっていないもの、いろいろと現れております。

男の子だけが出てきて、まだ女の子と出会っていない。こういうイナーチャイルドの場合は、自分の心の中に本来、自分が理想としている子供の姿、自分がイメージしている一番輝いている子供の姿がどんなものであるのか。自分はどういう風にしてもらうと、子供が一番満足していると感じるか。その時の思いがかなり関与していきます。

男の子が出やすい場合は、どこかに男の方が恵まれている、楽である、得している、という価値観を持っている場合があります。相対的に女性の方が男性に比べて損をしている、まだ認めてくれていない、なかなか理解してくれない、という感覚を持つことがあります。これは子供の頃から出来上がる傾向があり、それによって男性と女性の差ができてしまい、イナーチャイルドを癒すときに情報がバランスのとれたものになりにくい状態になっていきます。

したがってこういう人の場合は、イナーチャイルドを癒すという癒しのほかに、男性と女性との間のバランス、男性と女性との間の比較、そういったものも一つ、癒しを行ない、バランスをとれたものに持っていく必要があります。


黒人が出てきたという話がありました。イナーチャイルドを癒そうとして、自分とは違う姿の子供が現れた場合、まずこれは自分自身を見つめていない一つの現れになっております。まだ自分の姿が分かっておらず、自分の心をそんなに分析しておらず、したがって自分自身の正体をまだつかみきれていないところがあります。黒人というところに特に意味がなく、今は自分の姿と違うということに意味があり、そして黒人そのものが何を意味するのか、黒人はどういう考えで何を行動しているのか、それが分からない、つまりまだ自分自身が分かっていない、自分をもみつけていないというシンボルから行なわれております。これはイナーチャイルドを癒すという癒しのほかに、そもそも自分を探す、自分を見つめる、自分の心を見ていくという流れが必要なことを意味しています。


イナーチャイルドと一緒に遊ぼうとしても、なかなかうまく遊べなかった。普通、イナーチャイルドと遊ぼうとする場合に、どういう観点でイナーチャイルドと接するか、その時の気持ち自身が大きな学びになります。子供を理解しようとする気持ちがどこまでそこで表現されているか。はじめから子供として見下ろすような感じで接しなかったかどうか。子供と同じ視線で接しようとしていたかどうか。そういったところが大きなヒントになります。

一般に子供は、大人からいろんなことを言われて価値観を押し付けられたり、子供の気持ちを分かってくれなかったときにエネルギー的な乱れが生じ、心を閉ざす方向にいってしまいます。したがってイナーチャイルドを癒すためには、決して上から見下ろしたり、子供だからという安易な気持ちで付き合おうとすると、なかなかその子供は心を開いてくれません。自分の方から子供の視線で、子供と同じ位置で接するようにしていく。自分の子供であるという雰囲気で付き合っていく。こういうやり方が必要になります。

イナーチャイルドを癒そうとしても、自分の方は上であるという思いを持っている限り、癒しは何一つ、行なわれません。その子供を本当に癒すためには、親と子供という概念そのものをも取り払う必要があるのです。自分自身の子供を本当に癒したければ、その時の自分の気持ちをよく思い出し、そして自分が大人にしてもらいたかったことを自分がしていくように行動をとっていってください。


A瞑想では癒せないものもある

癒しにはいろんな方法があり、瞑想でできるものと瞑想ではできないものがあります。自分自身の心を見つめ、自分が自分の思い込みで造り上げたものや、自分で勝手に判断して思い込んでしまったものは、自分で行なうことができます。しかし人間関係によって、お互いのエネルギーのやりとりや、コントロール、一方的な怒りなどによってつくられた場合には、自分一人で癒そうとしてもなかなか癒すことはできません。これは人間関係を通じて癒すことがある程度、必要になっていきます。

ただ小さい頃の思いをどうやって人間関係で克服していくのか。例えば、イナーチャイルドでも、自分一人で造り上げた感情と、親や兄弟からの影響でつくられたもの、見知らぬ人、先生たちによってつくられたもの、いろんなエネルギーがあります。自分一人で造り上げたものは瞑想で癒すことができるでしょう。しかし親や兄弟のような存在との兼ね合いで心を閉ざしたり、癒しが必要になった場合、そのエネルギーをよく分析して、そのエネルギーを解放するのに相応しい状況を人間関係の中で見出し、現実を通してそれを解放するしか、方法はありません。

例えば、親から一方的にコントロールされたり、押し付けられたり、表現ができなくなるようにされた場合、自分は逆にほかの人に対して押し付けたり、一方的にいうのではなく、その人の言いたいことをまずよく聞いてみる。その人が表現しようとしていることをなるべく理解しようとする。そういう気持ちを持つことが必要です。

確かに相手が子供であれば、それはエネルギーの浄化が速いかもしれません。しかし子供が周りにいないときには、普通の人間関係の中で行動することによって、そういうエネルギーを浄化することもできます。したがって必ずしも子供に限定せずに、周りの人間関係の中でその人の本心を表現できるように自分も接していく。自分も表現したいことをそのまま表現していく。そういう練習をすることによってエネルギーの解放を練習するようにしていってください。

なぜならば、イナーチャイルドの頃につくられたエネルギーもその後の人生に影響を与え、結局、大人になっても同じような行動をとることが多いからです。大人になっても、子供の頃と同じように心を閉ざしてしまったり、大人によって表現しなかったり、接する態度を変えてしまったりする場合があるからです。ですから、出発点は子供であっても、今の現実の人間関係に影響を与えている場合には、現実の人間関係を介して癒して行く必要があるのです。そういったことも考えながら、自分の日常生活の中で心を癒していくやり方を工夫してみてください。


一人ひとり、癒すべきテーマがあり、癒されていないエネルギーを持ってはおります。しかしそこばかりに意識を当てると、またできないことやつらいことばかりが表に出てしまうために、結局、人生がつまらなくなってしまいます。そしてそういう思いそのものが実はイナーチャイルドとオーバラップしているのです。子供の頃、親からいろいろと言われてつまらなくなってしまう、あぁしなさい、こうしなさいと言われて、やることばかりが増えて、自分の好きなことができなくなる。実はそれが同じ状態を造り出しているのです。

したがって、イナーチャイルドを癒さなければいけない、次々とやらなければいけない、という思いを強くすること自体もあまり好ましくはありません。現実の中でいかに楽しく、楽な方向へと自分を持っていくか。楽しい方向、面白くなる方向へと現実を造っていく。そういう観点の上で、イナーチャイルドを癒すやり方を造り上げていってください。私たちはここまでにいたします。ありがとうございました。


(c)1999 CentralSun
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