質問
−自殺を口に出す人が相次いでやってきたのですが、その善悪をどのように説明して良いかわからなかった
これは宗教的な解釈であり、今、皆さん方が学ぼうとしている本来の仕組みとはかなり違っております。今の皆さん方の人生は自分自身で基本的なものを造り出し、それを基本にしながらも一瞬一瞬の自分の思いによって運ばれていっております。したがって現実の一つひとつが明確に過去の影響によって造られているというわけではありません。むしろ過去の影響はそれほど大きくはなく、毎日の自分の現象によって造られた思いが支配的であるというのを理解する必要があります。
そして今回の人生でいかに素晴らしい行ないをし、世のため、人のために尽くしたからといって次の人生が喜びに満ち溢れるとは限りません。むしろ反対である場合があります。なぜならば、世のため、人のために自分の人生を費やしたというのは、それだけ愛に満ち溢れ、スピリチュアル的にも高いものを身に着けているという証でもあります。こういう人々は人生においても楽をしようということは望んではおりません。またさらに人々のために自分の身を費やそうとします。
そのためにほかの人が望んではいない人生を自分で造り、そしてまた自分は何も分からないところから出発し、どうやってこの人生を自分のものにしていくか、ほかの人のために役に立つのには自分は何を学んでいくか、そこに意識を向け、つらさと混乱の中で心を強く保ち、人を心から愛していくように成長することを選んでいくでしょう。したがって次の人生を喜びに溢れさせるために今回の人生では他人に善い行ないをしようと考えている人は、まったく違った人生を歩むことになるでしょう。
さて、このように転生を信じている人と信じていない人では、今という現実に対しての心の持ち方がかなり違ってきます。転生をまったく信じていない人は、今の人生が唯一の自分の現実であり、この現実がいくら努力しても改善されないという見通しがついた途端にこの現実を自分のところから切り離そうとするでしょう。そして一刻も早くこの現実から抜け出し、自分は少しでも安心感や楽になれる状況に持っていきたいという思いを強くしていきます。
こういう人にいくらスピリチュアル的な真理を教えようとしても、現実が混乱している以上、そういう話をまず受け付けることはありません。ましてや現実が自分の責任によって造られたものとか、自分のせいでこうなったということを認める気もないでしょう。なぜならば、その人から見れば、ほかの人は皆、楽しく、喜びに満ち溢れ、良いパートナーに恵まれた人生のように映っており、自分だけが不幸の最先端にいるかのように認識しております。
そういう人に何を伝えようとしても、頭で理解したような振りを見せても、心ではまず納得しません。考え方を変えたところで、現実が楽しくなったとか、突然、良い人が現れたということがあり得ないからです。結局、その人は、やはり現実が思った通りにいかない、いくら話で納得しても現実は変わらない、そこにばかり意識を向けていきます。
こういう人に、今、自殺という手段を選択しようとしているところを止めさせようとするアドバイスとして何が適切なのか。基本的に自殺という行為はその人自身の選択であり、魂や神の思いではありません。その人がどうしてもその現実に耐えられなくなり、自分も存在そのものを消してしまいたい、そういう思いが強いときに自殺という手段を選んでいきます。
しかし、普通の人はそういったことを口に出しても、現実にそこまでの行動をとる人はそれほど多くはありません。というのは自殺という言葉を口に出しているほとんどの人は真剣に自殺を考えているのではなく、ただ単に同情を求めたり、慰めてもらいたい、理解してほしい、自分はこんなに苦しいということを認めてほしい、それを煽るために自殺という言葉を口に出していることが多いからです。そういう人は心が弱く、同情してほしい、慰めてほしいという思いだけで口に出しているのです。
こういう人は場合によっては本当に友達から見放され、親から見捨てられたときには、衝動的に自殺に進む場合があります。でも、ほとんどの場合はただ単に慰めてほしいという気持ちからそういう言葉を出しております。したがってカウンセリングする立場からすれば、自殺の是非を説明するのではなく、その心の弱さがいつ、どの時点で造られ、その心の弱さが自分にどのような影響を与えているのか、いかにして強い心に切り替えていくのか。こういう心のカウンセリングを真剣に行なう必要があります。
自殺の原因そのものはあまり意味はありません。むしろ弱い心にいつからなっていき、同情を煽ったり、すぐに慰めてもらおうという気持ちになったのがいつごろから、どういう原因でもたらされたのか。常に友達がいない。親からも常に無視されている。そういったことによって独りぼっちになり、慰めてもらいたいという気持ちが強くなる場合もあります。心のカウンセラーとしてはその弱い心になった原因を突き詰めていき、そして強い心に変えていく、それをお互いで身に着けていく必要があるでしょう。
その時に、理論で説明しても、弱い心が強くなることはありません。しかし、ただ同情や慰めを与えても、それは強い心に変わってはいきません。むしろ強い心を身に着けるためには何が必要なのか。それをあなたに教えるために、わざわざそういう人が集まってきているということをまずあなた自身が認識する必要があります。強い心、それは何であるのか。今、あなたはそれをテーマにしているのです。まずはそこを理解しておいてください。
さて、先ほどのそれぞれの体験の中で、一人ひとりがいろんな体験をなされ、また新しい意識を身に着けることができました。一人ひとりが学んだことはとても大きなことであり、これからの宇宙との学びにおいても大きな影響を与えることができるでしょう。Kさんがドゥアルクールという名前を出しましたが、現実的には必ずしもその存在がやってきたわけではありません。ただ、彼の属するエネルギーの大元が関係しているために、そのエネルギーの大元がシンボル的にドゥアルクールという存在を使ってあなたに接してきたと理解をしておいてください。
その大元があなたに伝えようとしていたのは、人々を癒したり、あるいはその心の動きを説明しようとする場合に、お互いの心の本質をいかに理解し、そこから自分の今のテーマとなっている波動をどのようにして読み取っていくか。そこにおける心というものをそれぞれがどう認識し、自分との兼ね合いで成長の糧にしていくか。それに関することを一生懸命、伝えようとしております。
ドゥアルクールはその辺の知識にとても長けており、心の動きや癒し方、そしてエネルギーの使い方にとても豊富な知識を持っております。したがってあなたがその存在を呼んで、共に活動するということはとても良い影響を与えるでしょう。心のカウンセリングとして相手の心を理解し、そこから何がテーマであるのかを学び、お互いに癒していくためにはこのドゥアルクールのエネルギーを使うことはとても良いことです。したがって自分のこれからの学びのためにいろいろ工夫をして使ってみてください。
そこで見たり、体験したりしたことの一つひとつはすべて皆さん方そのものでもあります。自分の体験したこと、そこで学んだこと、それは今、自分がこの現実の世界でも学びを必要としているテーマでもあります。アストラルの世界においての体験で学んだことは、この現実の世界でも必要なことなのです。そしてそれは今の自分の心の在り方を少しでも変えていくために必要なものと思っておいてください。
そして自分の心を理解し、その波動を改善していくことによって、この現実の世界においても、人々との人間関係において大きな変化が生まれてきます。人間という本質が何であるのか、何故、人間関係で混乱が起こり、衝突が起こるのか。その一つひとつの原因がすべてこのアストラルの世界に現れております。アストラルの世界で感じたこと、思ったこと、これはこの現実の世界でも何らかの原因になっております。
そういった意味で、アストラルの世界と現実とは深い繋がりがあるということ。アストラルの世界で学んだことは現実の世界でも何らかの学びになっているということ。この二つの世界を切り離して考えるのではなく、裏表にある関係という風に思っておいてください。ただし、現実の世界で体験せねばならないものは現実で体験する必要があります。ただ、現実の世界での意味を理解しようと思うときに、アストラルの世界に意識を向けると、その意味が分かるときがあります。この二つの世界をうまく使い分け、自分の意識の成長に役立てていってください。皆さん方のこれからの意識の成長を私たちも願っております。
それでは私たちは今日はここまでにいたします。ありがとうございました。